SHRINK LEATHER
シュリンクレザー・バッグ&ポーチ
皆様、こんにちは。小林です。いつも鎌倉シャツをご愛顧いただき、ありがとうございます。
今回は、久しぶりに復活を遂げた鞄についてお話ししたいと思います。少々長いですがお付き合いください!まずは鎌倉シャツが取り組んできた鞄の歴史についてお話ししましょう。
覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、2014年に初めてバッグを企画しました。これまで大量のバッグ開発を実現してきました。私もその企画者の一人で、かなりのめり込んでおりました(苦笑)
シャツとネクタイが主力の鎌倉シャツですが、鞄と言っても妥協することはできません。良いクオリティとお手頃なプライスを両立するためにはどうしたら良いのか?毎週の様に商談や市場調査を行い、自問自答する日々でした。
今だから言える大きな反省としては、あまりにも種類を増やしすぎたこと(笑)幅広くトライをしてきて、有難いことに軒並み好評ではあったのですが、2019年に一度企画を休止することになりました。
本業のシャツとネクタイ、伸びてきたアウター類やスラックスを更に強化するために、やむを得ない方向転換でした。
そして沈黙から4年後の2023年3月。八重洲ミッドタウン店オープンに向けて準備をしていたところ、とあるスタッフが私にこう言いました。
「コバさん、メンズ専門店ですし、鞄を置いてトータルで表現できる店にしたいですね!」
「以前、鎌倉シャツで買った鞄はだいぶ傷んできていまして・・・。同じようなお気持ちのお客様もいるのではないでしょうか?」
こ、これは・・・。強烈な使命感が私の背中を押したような・・・。
その頃の鎌倉シャツは、コロナも落ち着き、フルスロットルで攻めの姿勢に入るところという状況も私の背中を完全に押しました。直ぐに以前鞄でお世話になっていたメーカーに連絡し、久しぶりに商談をしました。その方は、 発注を休止しても定期的にお会いし、情報交換をしていました。
「小林さん、久しぶりに取り組む鞄はどんなイメージですか?」
「コロナで働き方や環境も変化したので、あらゆるシーンに対応した鞄をイメージしています。オンオフ兼用であったり、耐久性であったり・・・。」
「それでしたら、こんな鞄はどうでしょうか?」
見せていただいたのが、今回展開するフラップトートバッグのプロトタイプでした。ここから仕様や革の選定など、かなり細かく行いました。
特にこだわったポイントは、さまざまな勤務拠点を想定(実際に私もあらゆる拠点で仕事をすることが増えた)し、PCケースの常設や収容力のある大き目なポケット、肩掛けを意識したハンドルの長さなどですね。
また、突然のゲリラ豪雨などの自然環境にも対応できるように、革の段階で撥水加工を施すことにしました。バッグを作りあげてから防水スプレーをするより、効果が長続きします。
シュリンクレザーをチョイスしたのも、傷が目立ちにくいことから。あくまで「お客様(自分も)が日常で使うシーンを想定」がキーになります。
革は国内外幅広く検討しましたが、ピンと来たのが日本の革。国内原皮を使用して、姫路の有力タンナーで鞣しを行うことに。とにかく私からの要望が千本ノックのようにありましたが、誠実にその願いを叶えてくださいました。
そして縫製は、世界のトップメゾンの鞄を作る中国の有力ファクトリーにご協力いただきました。
そんな商談の最中、こんなことを話していました。
「小林さん、ポーチに興味ありませんか?ガジェットを持ち運んだり、メンズでもコスメが欠かせない時代なので、マーケットではかなり引き合いがあるんです。」
申し遅れましたが、こちらの鞄のメーカーは、百貨店やセレクトショップのオリジナルバッグを作る、国内でも指折りの有力メーカーなんです。色々な形を提案してくださいましたが、何か決め手にかける・・・。
そんな時に閃いたのです。ポーチだけでなく、多岐にわたるシーンに対応する万能型ポーチにするのはどうか!?ポーチであり、結婚式などで使うミニクラッチであり、紐を別途用意してサコッシュになったり。
そこから再びサンプル作製の日々に(笑)ただのポーチではなく、付加価値と実用性を両立させたい。革は鞄と同じものを採用、こちらも納得ができる仕上がりになりました。
と、だいぶ話が長くなってしまいましたが、まずは皆様に私の思いをお話しさせていただき、さらに、お求めいただければ幸いでございます。
シャツにおいても、ジャケットにおいても同じですが、「今の時代に対応する」はとても重要な観点だと思っています。この鞄を皮切りに新しい企画も既に進行しておりますので、ぜひ今後ともご期待ください!
私たちのことを知ってください。