いつも鎌倉シャツをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
チーフバイヤーの小林です。
2024年にスタートした商品企画部とオンラインショップの共同企画は、多くの皆様からご好評をいただき、2025年も引き続きお届けする運びとなりました。本年度も、皆様にご満足いただける内容をお届けできるよう努めてまいります。どうぞご期待ください。
記念すべき第一回は新年のスタートを飾るべく、2024年下期より準備を進めてきた鎌倉シャツのベストセラー「50oz Royal Twill」を使用した「セッテピエゲ仕様」のネクタイが登場します!
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実は2023年の鎌倉シャツ30周年企画としても展開したのですが、一瞬で完売してしまいました。その後、お客様だけでなく販売スタッフからも再生産を望む声を多くいただいていた一品です。
復活までお待たせしてしまったのは、決して私の怠慢ではないことを、この場を借りて弁明させていただければと思います(笑)
この「50oz Royal Twill」生地は、イギリスの名門ADAMLEY社からバイイングしています。 最大の売りはプリントファブリックの中でも最高級のヘビーオンスであること。その重厚感から生まれる美しいドレープ感は、他に類を見ないクオリティです。
90年代前半には雑誌で特集が組まれ、「ネクタイの永久定番」として世界中で愛されてきました。 しかし近年では、服装の軽装化や、この生地特有の繊細さ故の扱いにくさ、生地コストや価格の上昇といった要因が重なり、市場では希少な存在となっている背景があります。
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さらに、生地特有のハリとコシがあるため、京都の国内最高峰の縫製工場で、職人が一つひとつ手作業で仕上げていますが、月に製作できる本数は限られています。
この素材を「料理する」難しさについて職人の方々から伺う度に、その手間と技術の高さを改めて実感します。売上ナンバーワンでありながら、作製難易度もナンバーワンのネクタイです(汗)。
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セッテピエゲとは、イタリア語で「7つ折り」という意味です。
その名の通り、1枚の生地を7つに折り上げて作る技法で、本来のセッテピエゲでは保形性を保つために使用される芯地をあえてなくすことで、スカーフのような柔らかで立体的な仕上がりを生み出します。
この技法は非常に高度で、製作には熟練した職人の技術が欠かせません。
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さらに難関となるのが、剣先のハンドロール(三巻)です。ハンドロールする距離が非常に長いことに加え、繊細な素材を手作業で巻きながら縫製するため、膨大な時間と手間がかかります。
そして最大の課題は、この三巻の精度に僕が異常に厳しいこと(笑)
極限まで細く巻くことでドレッシーな雰囲気を作れるのですが、何度も言うように素材は一番縫いにくい50oz。まさに職人泣かせの一品です。
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市場にはセッテピエゲと言いながらも、剣先をミシンで一気に縫ったり、大雑把に巻いたりというのも見かけますが、我々は一切妥協はしません。
昨今、スーツスタイルの減少に伴い、ドレスシャツやネクタイを着用する機会が減少しているように感じます。しかし、鎌倉シャツはこのような状況にも負けず、シャツやネクタイを通じて新たな企画やアプローチを常に模索しています。
やはり、ビジネスパーソンが最も美しく、カッコよく見えるのは、スーツにシャツを合わせ、ネクタイを締めた姿ではないでしょうか。
「世界で活躍するビジネスパーソンを応援する」という社是を胸に、2025年も全力で取り組んでまいります。
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小林 良輔
チーフバイヤー
1987年5月8日生まれ。新卒から品川店→丸の内店→秋葉原店マネージャーを経験し、2014年にバイヤー職に抜擢。現在は、企画セクションを統括しつつ、国内外を飛び回り既存アイテムのアップデートと新しい価値を探す旅を続けている。不定期更新のブログ「コバぶろぐ」は、主に欧州出張時に更新されるため、2025年はブログ更新20回をKPIに掲げている。最近はGoogleの生成AI「Gemini」を使った新しい仕事の進め方を模索中。趣味:週2回のサウナは欠かせないが、1ラウンド目の外気浴で30分くらい寝てしまうのが悩み。
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