鎌倉シャツ アイビールック の A to Z by グレアム・マーシュ

鎌倉シャツに贈る「 KAMAKAURA SHIRTS A TO Z OF THE IVY LOOK 」ブログ(英語版)へようこそ。このブログでは、服のみならずアクセサリーなど、アイビールックを定義する様々なアイテムを皆さんとみていきたい。

1955年から1965年にかけて、東海岸のアイビー・リーグはアメリカ紳士のドレスコードに大きな影響を与えた。民主的かつスタイリッシュでありながらも着心地がいい、そんなアイビールックは最高にクールであり、大統領でもヒップスターでも着ていた。6インチのフックベントが施された3つボタンナチュラルショルダージャケットにペニーローファーを履き、オックスフォードボタンダウンシャツにナロータイを締める。アイビーを愛する人々は、これら無しでは身だしなみが整ったとは言えなかったのだ。これらの服やアクセサリーは素晴らしいアイテムであり、アイビールックを定義するには欠かせないものである。その後もアメリカ海岸を超えてフランス、イタリア、イギリス、そして日本へと広がっていった。アイビールックは今日もなお生き続けている。これまでもそうであったように。

アイビーの服は、どうにも癖になる。私が初めてアイビーにはまったのは、モダンジャズの信者である男たちが着ている姿を見たときであった。彼らは、私が1960年代にロンドンにあるマーベル・コミックスのアート部で一緒に働いていた仲間だった。イギリスでは彼らのようなファッションは内部的な世界観であり、輸入されたナローラペルで粋なスーツにナローニットタイを合わせ、タイトに仕上げたショートヘアーで決めるのだ。このクールで非日常的なスタイルのテーマソングは決まってマイルス・デイヴィス、ジェリー・マリガン、モダン・ジャズ・カルテット、それとジミー・スミスだ。この世界感がまさに、私が取りこぼすことなく入り込みたいと思ったものである。私は、アイビールックを作り出す全てのディテールまでにも虜になっていった。

私が、鎌倉シャツの創立者でありかつ、かの有名なVAN系列の幹部でもあった貞末良雄と出会ったのは、数年前にニューヨークを訪れた時である。鎌倉シャツがマディソンアベニューにオープンしたアメリカ一号店を祝福するためにだ。言わせていただけるのなら、鎌倉シャツは日本国内に留まらず、最高のボタンダウンシャツを作っている。私たちはそこで、私の知る伝統的なアイビールックを用いて、鎌倉シャツのための”VINTAGE IVY”コレクションを共に作ることを約束した。

このコレクションは、今年で7年目を迎える。この場で、私が夢中になるアイビースタイルを世界中の鎌倉シャツを知る皆さんとシェアするのにちょうどいい時だろう。これから26カ月に及んで、私はアイビーの全てに祝福を上げたい。Aから始まりZで終わるサートリアルジャーニー(※)のように。正しい靴にシャツ、ジャケット、そしてハット。ウォールストリートで生まれたアイビールックを届けよう。究極のアイビールックをここに。
※サートリアルジャーニー:旅をするかのように、自分に合ったファッションスタイルを模索し確立していくことを示す表現。

<補足>
このブログでは、アルファベットAからZの頭文字にちなんだアイビーのファッションアイテムを題材とし、毎月グレアム・マーシュ氏より紹介いただきます。

マスク

グレアム・マーシュ
本ブログの著作とイラストを手掛けるイギリスのグレアム・マーシュ氏 はアートディレクターでありながら、イラストレーター兼ライターでもあり、数々の革新的なビジュアルブックを手掛けてきた。代表的なものとして、『The Cover Art of Blue Note Records』 vol.1とvol.2や『East Coasting and California Cool』などが含まれる。さらには、『Denim: From Cowboys to Catwalks』を共著出版し、トニー・ヌールマンド氏とは映画ポスターについてのシリーズ本を手掛けた。最近のものでは、『The Ivy Look』や『Hollywood and the Ivy Look』、『Jazz Festival』、『The Beat Scene』、『French New Wave: A Revolution in Design』など。また、Woodstockの50周年記念本やRonnieScott’s Jazz Clubの初期を綴った本などもある。彼は、子供向け絵本の『Max and the Lost Note』の著者でもある。マーシュ氏のイラストは、雑誌や新聞紙、数々のCDやアルバムのカバージャケットにも起用されてきた。『Country Life』や『Financial Times』などの、様々な雑誌、経済誌などにも貢献をしてきている。

D|DUFFLE COATS, DOWN VESTS,DESERT BOOTS AND DENIM

2021.05.26

ダッフルコートダウンベストデザートブーツ、そしてデニム
 

 

STYLE IS LIFE! IT IS THE VERY LIFE-BLOOD OF THOUGHT! - GUSTAVE FLAUBERT
「スタイルは人生だ!思考の表れの生き血である!」ギュスターヴ・フローベール

 

軍服で最初のスタンダードとされてきた洋服は、長い年月に渡って私たちでも買うことのできる市民のための洋服へと変化してきた。それらは、ほとんどが優れた作りの、最良の洋服の数々である。私は何年か前に、とても高級なダッフルコートを持っていたが少しうるさいくらいに作り込まれていて、それでいて本来あるべきシンプルな機能性が失われているものだった。結局、最終的にそのダッフルコートは人へ譲りGloverallの’The Monty’というダッフルコートを購入した。The Montyという名前は、第二次世界大戦で有名な将軍のバーナード・モントゴメリーの愛称である”Monty”から付けられたものである。私のアイビーワードローブにも受け入れることのできる優れたアイテムである。
 


D.
立派な着こなしから生まれる自信は計り知れないものだ


ベルギーにあるデュッフェル※ という町(現在はアントワープ州の一部)で、自然な撥水性を持つ高いラノリン質が含まれる重たい羊毛素材で服が織られるようになったのは、中世の時代からである。後にこの生地はRoyal Navy(イギリス海軍)が使うようになり、現在、誰もが知っているダッフルコートへと姿を変えたのは驚くまでもないだろう。Gloverallによって初めて作られたダッフルコートは、イギリスの水兵たちがユニフォームの上から羽織ることができるようなオーバーサイズなものであった。Gloverallは1951年に、第二次世界大戦と朝鮮戦争において作成したダッフルコートの過剰分を販売し、瞬く間に寒い冬を持つ国々へと広まった。またすぐにこのダッフルコートはイギリスの学生から最も選ばれるコートとなった。皮肉なことに政治的急進主義者にとっても同様であった。フランスでは、レフトバンクの実在主義者によってアンチブルジョアジーの情緒の表れとしてダッフルコートが着られていた。それとは反対に、アメリカでは大学生の間での絶対的な存在となり、アイビーリーグの学生は一人としてダッフルコートを着ずに家を出ることはなかった。そして、大抵は大学卒業後も着続けていた。今では多くの企業がダッフルコートを作っているが、Gloverall のオリジナルモデルはダッフルコートのベンチマークである。俳優のジェイムズ・スチュアートはダッフルコートに魅了された一人であり、ジョン・F・ケネディーも冬場のセーリングで着用していた。ダッフルコートは、寒い季節のアイビールックの究極的なシンボルである。
※ダッフルコートの「ダッフル」は、デュッフェル町のオランダ語表記”Duffel”の英読みから来ている。
 


スクータブームを起こしたブーツ。70年前、ネイサン・クラークは時代に左右されないClarksデザートブーツを世界中に届けた。彼は、非番のイギリス軍兵が履いていた、カイロのバザールで売られていたブーツをモデルにこのデザートブーツを作った。1960年代では、アメリカの大学キャンパスからロンドンのモッズ文化を継承するソーホーまで、見かけるブーツはこれ一択であった。スムースフルグレイスエードのアッパーにプランテーションクレープソールのこの美しいデザインは、シューズアートの手本にもなれば、ダッフルコートとLevi’sとの組み合わせには欠かせないことも一目瞭然である。
 


この長持ちなコットンのツイル生地、一般的には縦糸に染色糸を、横糸に白もしくは無染色の色を織った生地を使用し様々な重さで生産されるアイテムは、全ての人が着てきただろう。「カウボーイからファッションショーステージ上の全員」と言っても過言ではない。まさに、私はこのタイトルでデニムのすべてがわかる本をアートディレクトと共著として2002年に出版をしている。オンラインストアであれば今でも入手可能な本だ。デニムは元々頑丈な作業着として作られていたが、今ではファッションの最前線でも愛用される存在である。それはアイビークラシックでも同じだ。デニム(Denim)は、’Serge de Nimes’の略語から来ていると思われている。 南フランス都市であるニーム(Nimes)かた生まれたサージ(Serge)生地のことである。アメリカの三大デニム生産者は、Levis、Wrangler、とLeeである。日本にも素晴らしいデニムを生産する企業が数多くある。とても簡単な紹介となってしまったが、私は確信している。賭けてもいい!これを読んでいる間もあなたはきっと、デニムジーンズを履いていることだろう。
 


アメリカで言うダウンベストやトレイルベストは、アイビー信者のワードローブの中でも便利なアイテムである。軽量さや保温性の特徴から、ダックダウンがダウンベストやダウンジャケットには理想とされている。ラインステッチの技術で二つ以上の布地を繋ぎ合わせてレイヤー状重ねる。これはオールシーズンで着ることのできるアイビールックの一つである。


次は、Eメガネに、エスパドリーユイブニングドレスコートにしよう。
 

GM
 

 

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