量産の最高・フランチェーゼの新たな挑戦。

念願の老舗生地ファクトリーへ

2016年1月、念願だったイタリアの老舗生地ファクトリーを訪問することができた。
そのファクトリーは、北イタリアのロンバルディア州・コモに位置する。
コモは、世界中のセレブ達がバカンスに訪れるほど、美しい湖と森林に囲まれた世界的な避暑地でもある。

およそ80年続くこの生地ファクトリーのアーカイブルームには度肝を抜かれた。
壮大な量のアーカイブ、歴史の重みを感じさせる資料の数々が出迎えてくれた。
美しいアーカイブルームには、古くよりヨーロッパ中から集められた貴重な資料が残っていた。
それは、このファクトリーの今まで生産したファブリック・アーカイブだけでなく、 過去に存在した今はなきファクトリーのものなど、 ヨーロッパ各地から集められた膨大なものだった。
ショールームには、アーカイブだけではなく、貴重な昔の機器などが保存されていた。
ヨーロッパには昔のアーカイブや機器などを大切にする文化があるのだ。

そして、生地ファクトリーを訪れた。正真正銘のMade in Italy。
今回のイタリア製の美しい生地は、イタリア・コモで織り上げられているのだ。
織り上げられたイタリア製の生地は、丁寧に梱包され収納されている。
このような美が基準とされている仕事ぶりもMade in Italyの素晴らしさだ。

アフターコロナのビジネスシーンに

FRANCESE CUTAWAY

イタリア・ナポリの熟練職人の専売特許であった襟型“フランチェーゼ”は、 日本の鎌倉シャツにおいてデビューして一年となる。
そして、今回はついに新しい襟型“フランチェーゼ・カッタウェイ”の登場だ。
襟型“フランチェーゼ”より、襟が広がった新カッタウェイカラーとも言える。
“フランチェーゼ”や“フランチェーゼ・カッタウェイ”の美しい襟は、 横から見たときに襟先が身ごろに吸い付くようなカーブを描いている。

芯地にハンドでハサミを入れることにより、 襟のカーブを実現できるのだが、この工程には大変な手間がかかり、高い縫製技術を要する。
今回の“フランチェーゼ・カッタウェイ”はまずはノータイを推奨したい。
襟がだらしなく開かず、タイがなくとも、台襟が首に沿いながら 上にあがる縫製技術も搭載されている。
基本はノータイスタイルが合うが、タイドアップも綺麗に決まる。
このカッタウェイには、画像のような80年代やビンテージ感を意識した柄のネクタイが新しい。
現在の日本におけるファッション業界は、襟の傾向はより狭いレギュラーやタブカラー だそうだが、世界的にはほとんど浸透しておらず、 ほとんどのイタリア人は常にスプレッド〜カッタウェイを愛用している。
なぜなら、彼らはノータイスタイルが得意なので、レギュラーやタブカラーでは具合が悪いのだ。
今回鎌倉シャツが送り出す“フランチェーゼ・カッタウェイ”は、 世界的スタンダードな襟の一つである。
そして、アフターコロナのビジネスシーンにこの上なくマッチする。

鎌倉シャツだからできることを

今回、我々はこの美しいイタリア製の生地に、 新型の襟型“フランチェーゼ・カッタウェイ”を載せ、 ¥7,900(税抜)で販売することになった。新カッタウェイカラーである。
このプロジェクトを思いつき、ファクトリーと交渉し、実現するまで約5年の歳月を要した。
名前こそ出せないが、このイタリアのファクトリーの生地は 非常に高価であり、交渉は困難を極めた。
だが、どうしても¥7,900(税抜)という価格で販売したいと思った。
“フランチェーゼ・カッタウェイ”という新しい襟を搭載し、 最高のシャツを販売することは万感の喜びである。
ぜひ一度お手に取っていただければと思う。

-Director / Teppei Sadasue

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