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皆さまこんにちは。
このブログは、鎌倉シャツの物作りの精神、海外の情報、業界の裏側、そして歴史や風情ある鎌倉の街並みや、世界に誇る美しさを持つ国道134沿いなどについて語っていきたいと思います。

マスク

ディレクター 貞末 哲兵(さだすえ・てっぺい)
メーカーズシャツ鎌倉 常務。1977年生まれ。某セレクトショップの販売員を経て、イタリア・ボローニャに留学。イタリア・ミラノのデザイン事務所に勤務後、現職。年の1/4をイタリアやヨーロッパなどで過ごしながら、国内外でバイイング業務や、MDなどの仕事も兼任する。

鎌倉シャツ「究極の作務衣」登場!

MONTHLY KAMAKURA 10



顧客の皆様、いつも鎌倉シャツをご愛用くださりありがとうございます。
鎌倉シャツ ディレクターの貞末 哲兵です。





さて、今回は鎌倉シャツの「作務衣プロジェクト」についてお話ししたいと思います。

作務衣とは、禅宗の僧侶の方々が日々の雑務(作務)を行うための衣服です。
実は、弊社鎌倉シャツというシャツメーカーが、「和の世界である作務衣作り」に挑戦することになったのです!

鎌倉シャツは鎌倉に生まれ、鎌倉に育てていただきました。
そんな鎌倉に何か恩返ししたい、洋服の世界で培ってきた技術を使って、何か出来ないか?というのがことの始まりでした。また、鎌倉シャツの社是である「日本人をお洒落にしたい」という活動の一環として、鎌倉の僧侶の方々をはじめ、日本全国にいらっしゃる僧侶の方々のために一石を投じてみたい(日本人をお洒落にしたい)と考えました。





この「作務衣プロジェクト」が始まったのは、2020年の春に鎌倉五山の一角であられる浄智寺様を訪問したことに始まります。

住職の朝比奈さんから「鎌倉シャツさんで作務衣とか作らないの?」という単純な投げかけをいただきました。
私は「作務衣ですか!? シャツ屋で、洋服をルーツに今まで仕事してきましたので全く考えたことがありませんでした」と答えました。
朝比奈住職は「商業活動はお客様のためにあるのでしょう? 鎌倉で良い作務衣を買う場所がないってみんな困っているよ」とおっしゃいました。

確かに商業活動をするため(お客様の役に立つ)に鎌倉シャツという会社は存在し、そして育ててくださった鎌倉には100を越える寺社仏閣があります。畑違いの仕事になりそうだと思いましたが、「鎌倉にいるたくさんの僧侶の方が困っていらっしゃる」現状を見過ごすわけにはいきませんでした。そして、素晴らしい作務衣を作ることが出来たら「日本人をお洒落にする」お手伝いができるとも思いました。
朝比奈住職からは、製作に参画しても良いので「今時のカッコいい作務衣を作って欲しい」と力強い言葉をいただきました。鎌倉を代表する僧侶の方のバックアップがあれば、なんとか形になるかもしれないと思いました。

早速、私は鎌倉オフィスに戻り、物作りを担当している弊社宮澤と佐野に相談することにしました。「作務衣を作ってみませんか?」と言うと、意外にも彼らは乗り気で、これはイケると直感的に思いました。
鎌倉シャツの物作りには必ず大義がなくてはなりません。
大義は「日本人をお洒落にしたい」「育ててくれた鎌倉に恩返をしたい」は物作りの動機としてはこの上ないもので、宮澤、佐野ともに「挑戦しましょう!」ということで決まりました。





まずは素材探しから始まりました。

担当するのは鎌倉シャツの素材を長年に渡って担当する生地マニアの佐野です。
彼が提案してくるものは、本格的な和を意識したものから、シャツ生地、デニム、そしてニット素材など多岐にわたるものでした。物凄いスピードで集めてくる一流素材の数々、どれも素晴らしく、ここまで素材探しに夢中になる彼を見たのは久しぶりで、最初から良い素材が見つかる雰囲気が漂っていました。

そして、縫製を担当するのは宮澤です。
シャツ以外の仕事をことさらに嫌うシャツ作りのエキスパートで、去年、たくさんのお客様に喜んでいただいた「鎌倉シャツのマスク」を担当したのも彼でした。
マスクが日本全国で不足が囁かれ始めていたあの時、私が「マスクのサンプルを作りましょう」と言うと、実は最初は嫌がっていました。
彼は私に、「マスクって哲兵さん、それは寿司屋が焼き鳥作るようなものでしょうよ!」「違うか!寿司屋がカルパッチョ作るみたいな感じかな?」などと謎の発言を繰り返し、嫌がる宮澤でしたが、終わってみれば素晴らしいクオリティのマスクを作ってしまったことは今でも驚きです。
そんな宮澤ですが、今回の作務衣は最初からやる気満々でした。
「哲兵さん、作務衣はね、鳥繁*がドライカレー作るつもりでやりますよ!」
という彼流の謎の言葉も出たところで、作務衣の完成は間違いないものになると確信しました。*鳥繁は銀座にある焼鳥屋の名店で、ドライカレーが名物





作務衣作りのコンセプトはとにかくスタイリッシュなものを作ることでした。

そして、単なる和の作務衣を作るのではなく、「シャツ屋が作る作務衣」を完成させたいと考えました。
「シャツで培った誇りある日本製、MADE IN JAPANの力を作務衣で表現する」
このコンセプトは世界中どこにもない、鎌倉シャツのオリジナルになると思いました。そして、最初のサンプルが出来たのが、去年の夏頃でした。

ついに、鎌倉シャツ製の作務衣を朝比奈住職に見てもらう日がやってきました。
毎日、作務衣を着用し、作務を営む朝比奈住職に鎌倉シャツの作務衣はどう映るのか?かなり緊張しましたが、一言「いいんじゃない」という嬉しい答えが返ってきました。
「うーん、そうだね、素材もいいし、スタイリッシュだね」
ただ、ポケットの位置、普段の作務では座ったり立ったり、など実用的な部分、かなりの修正ポイントのご指摘がありました。
その時は、まだ素材も固まっていなかったために、パターンや縫製を常に修正しながら、そして朝比奈住職からいただいたリクエストから、またサンプル作りを繰り返すことになりました。


作務衣作りは、思った以上に難航しました。

上着だけでもかなりのノウハウがあるのですが、シャツ工場でボトムを縫製するのも大変な作業となりました。サンプルを繰り返すこと数ヶ月、今年の2月くらいにようやく作務衣作りの基となるサンプルが出来上がりました。この頃、素材は日本が世界に誇るカイハラ製のストレッチデニムに決まっていました。

朝比奈住職から「これはいいね!これなら俺は全部御社の作務衣に買い換えるよ!」という何にも増して嬉しいお言葉をいただきました。
「デニムだからそれぞれ単品でも着られるよね!」ともおっしゃっていただきました。





これはいける!と思った私は、次に鎌倉五山の筆頭である建長寺様にサンプルを持ち込むことにしました。

建長寺様はその格式もさることながら、規模としても鎌倉でトップクラスの禅寺です。建長寺様には、数多くの僧侶の方がいらっしゃいますが、中心となって作務衣作りにご協力してくださったのが、森和尚、青柳和尚でした。
特に青柳和尚は作務衣に対するこだわりが凄まじく、作務衣のサンプルを着用していただいたところ、リクエストが山のように出てきたのです。朝比奈住職からオッケーが出ても、青柳和尚からは「もう少し研究の余地がありますね」というお言葉をいただきました。
それから、青柳和尚に納得していただける作務衣作りが始まりました。

さらに数ヶ月が経ち、やっと青柳和尚から「すごくいいんじゃないですかね、とてもスタイリッシュで今まで見たことない雰囲気です」「着心地も良いし、ボトムのバックポケットもかなりいいと思います」大変に嬉しいお言葉をいただき、よし!さすがにこれで大丈夫だと思いました。しかし、作務衣作りは甘くありませんでした。





次に、私がサンプルを持ち込んだのは鎌倉五山第二位である円覚寺内に構える佛日庵様の高畠住職でした。

高畠住職は、格式高いお寺の住職でありながら、非常にファッショナブルで、ループウィラーのスエットを愛用するなど、また、年齢もまだお若いことから、鎌倉仏教界のファッションリーダー的な方でした。高畠住職は、鎌倉シャツ製の作務衣を着用すると、今まであまりなかったボトムの指摘をしてくださいました。
まさか、このタイミングでボトムの指摘が入るとは思っておらず、いよいよ販売できると息巻いていた矢先、完成品の夢はまた遠のいてしまったのです。

そして、試行錯誤しながら、作務衣を作り続けること数ヶ月後、私は再度サンプルを持って高畠住職を訪れました。





「いいですね、これ!最高だよ」というお言葉をいただきました。

「とにかくさ、スタイリッシュなのに着心地がいいんだよ」シャツに対するようなコメントをいただきました。「なんかさ、御社の作務衣着ているとスーツみたいに見えるんだよ」まさに、洋のシャツ屋が和の作務衣を作る意味まで具体的におっしゃっていただきました。
また、それだけでなく「もう俺さ、御社の作務衣しか着ないからいち早く注文させてください」との嬉しいお言葉があり、さらに、奥様でプロのシンガーでもいらっしゃる薫様、副住職の羽村さん夫妻も全て鎌倉シャツ製の作務衣にしたいという嬉しい打診までいただいたのです。
大変ありがたいことに、その場で20着以上のご発注をいただくことができました。

その瞬間、微力ながら鎌倉に貢献し、僧侶の方がさらにお洒落になっていただくお手伝いができたのではないかと思いました。





これは間違いない作務衣が出来たと感じた私は、次に明王院の仲田住職にお見せすることにしました。
仲田住職は「いいじゃないですか!ものすごくカッコいいですよ!」といつもの明るい笑顔でおっしゃってくださいました。

鎌倉シャツ製の作務衣は、ここに登場している方達だけでなく、本当に多くの鎌倉にいらっしゃる方のご協力をいただきました。また、全く未知の領域であった「作務衣」に全力で挑戦してくださった工場様があったからこそ、実現出来たプロジェクトでした。
そして、手前味噌ですが弊社社員の絶え間ない努力の結果、ついに鎌倉シャツ製の作務衣が誕生したのです。世界に二つとない、日本製のシャツ作りの技術を使って、和の作務衣を捉えた一着です。スタイリッシュで着心地が良く、正当な作務衣でありながら洋風の雰囲気を持っています。

また、今回の「作務衣プロジェクト」は、鎌倉シャツが中心となって、鎌倉に小さな輪を作ることが出来たようにも思います。そして、この輪を鎌倉から日本中へ、そして世界へ広げていけたらこの上ない喜びです。





さて、作務衣のリリースですが、クラウドファンディングサービスの「Makuake(マクアケ)」にて発売をいたします。上代は上下セットで税抜き¥19,000に設定させていただきました。

「鎌倉シャツ製の作務衣」は、僧侶の方達だけでなく、在宅ワークやワンマイルウェアとしても新しい可能性を持っていると思います。

是非ともお試しくださいませ。




■作務衣の販売サイト「マクアケ」はこちら
※おかげさまで目標達成、終了いたしました。
www.makuake.com/discover/projects/?keyword=鎌倉シャツ

■「鎌倉シャツ」作務衣のニュースはこちら
https://www.shirt.co.jp/news/info/2110samue/
 

 

 

 

メーカーズシャツ鎌倉 
クリエイティブディレクター 貞末 哲兵

1977年生まれ。某セレクトショップ販売員を経て、ミラノのデザイン事務所に 勤務後、現職。
年1/4をヨーロッパで過ごしていたが、
2020年、真の鎌倉シャツを作るため
東京から距離を置き、鎌倉に移住。 
趣味:鎌倉・ドライブ・食




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