コバ　皆様、こんにちは。今回はどうしてもこちらで紹介したい究極のネクタイが発売されるため、急遽、小林と哲兵の対談方式でお届けしたいと思います。
＊小林は、ここぞという時に、対談方式を採用している

テツ 京都の出張中に突然連絡が来たから、どうしたのかと思ったよ。(苦笑)
＊哲兵は、鎌倉シャツ・京都店がオープンしたこともあり、ネットワーク強化のために京都に足繁く通っている

コバ　急ですみません…。僕がイタリアで仕事をするようになって10年、哲兵さんはさらに長年携わってきましたが、ずっといつかはやりたいと話していた、あのネクタイを遂に紹介できますね！

コバ　究極の生地！まずは、馴染みのない顧客の方もいらっしゃると思いますので、Fermo Fossati社に関して簡単にご説明をお願いします！

テツ はい。 同社は1872年創業、イタリアで最も古いシルク織物・ファクトリーであり、トップ・メゾンはもちろん、一流セレクトショップや百貨店向けにネクタイ生地を供給しています。特に、1900年代初頭から現存する特殊なシャトル織機を所有しているファクトリーは、世界中探してもここだけなんです。

コバ　ずっと展開したいという思いはあったのですが、Fermo Fossati社を訪問するネットワークがありませんでした。ちなみに、世界最高峰のシャツ生地と評されるCarlo Riva社も同じグループ会社内にありますよね。

テツ　そう、Carlo Riva社も特殊なシャトル織機を所有していて、品質は世界一と呼べると思うけど、Fermo Fossati社同様に生地値が異常に高い。（苦笑）また、長年、イタリア・コモに通い続けている鎌倉シャツですが、Fermo Fossati社だけは大人の事情があって、なかなか訪問できないままコロナになってしまった経緯があります。コロナ後の2023年6月、＊ある裏ルートを使って同社を訪問することができた時は、さすがのコバさんも驚いたでしょう？

＊あくまで裏でありながら、大人の手法を使ってFermo Fossati社の訪問に成功。イタリア・コモは門外不出となっているため、通常は表のルートを使ってしか訪問できないが、それでは他のショップと同じ小売価格をつけざるを得ない。したがって、鎌倉シャツでは独自に（裏）ルートを開拓することに執念を燃やし、その結果、顧客の皆様がアッと驚くような小売価格の設定を実現している。

コバ　それはもう！！半ば無理だと諦めていたので、実際にファクトリーを訪問し、生地をバイイングすることができるなんて…。夢のようでした！

テツ　コモでやり残した大きな仕事の一つだったからね！ Fermo Fossati社は世界最高峰のネクタイ生地を生産しながら、クリエイティビティにおいても常に進化し、異端で特殊な会社であり続ける。あまりの素晴らしさに、10,000本分くらいのネクタイ・コレクションを作りたいところですが、まずは初回なので2つのクオリティに集中して、少量のバイイングをすることにしました。

コバ　今回のコレクションの一つは、Fermo Fossati社を代表するクオリティーである「Garza Grossa」（ガルザ・グロッサ）です。世界最古のシャトル織機でゆっくりと織られる、いわゆるフレスコ織りと呼ばれるものですが、この機械でしか作ることのできない、唯一無二のしなやかさと手持ち感、織りの美しさを表現しています。

コバ　僕も今から発注が楽しみですが、生地値が高いので、慎重に選んでくださいね。（苦笑）

コバ　そして、二つ目のクオリティーは、英国のDrake’s社が定番的に展開している「Super Rep」と呼ばれるクオリティーです。

テツ　10年くらい前、ロンドンのDrake’s社を訪問した時に、スーパー・レップのネクタイをゲットし、気に入って付けていました。その時、Drake’s社のクリエイティブ・ディレクターであるマイケル・ヒルさんに、どこの生地なのかと聞いたところ、あっさりFermo Fossati社の物だと教えてくれました。（笑）

コバ　BREUER社が得意とするコットン・シルクのクオリティーに似ているのですが、なぜかこれをシルク100%で実現してしまっているのがすごいところですよね！

テツ　そう、独特のタッチの中に、しなやかで美しいシルク100%の素晴らしさや、原料の良さが際立っている。

コバ　今回のコレクションでは、ブリティッシュでもなく、アメリカンでもない、何とも言えない味わい深いストライプを、鎌倉シャツ用に別注しました。通年でご使用いただけるカラーとデザインだと思いますが、特にこれからの季節のビジネス・シーンにマッチするようにアレンジしました！

テツ　そうだよね。 普遍的でありながら爽やかさを感じさせるストライプのコレクションは、鎌倉シャツの顧客の皆様に間違いなく気に入っていただけると思います。今回のオーダーでは、この二つのクオリティーに絞りコレクションを作りましたが、今後、Fermo Fossati社には更なる大きな可能性を感じています。